よあけ。

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:たとえ間違いだったとしても

恐らく間違いだった。固執ばかりしている。嫌な記憶にばかり縋りついている。

誰もこちらのことなんて憎んでいないし、嫌ってもいない。むしろ保護の対象だと思っている。 何故? 

僕は嫌というほどお前が嫌いだ。嫌いでなくてはならないのだ。そうでないと僕は僕を受け入れられない。

許してくれ。

なぜ嫌いな対象に許しを乞うているのか。乖離だ。虚勢を張っているだけだ。 ごめん。

でもやっぱり無理だ、認められない、認めたら、認めてしまったら、全部泡みたいになって消えてしまうのが怖い。

「これまでのは全部何だったの? 私の人生何だったの?」

黙ってくれ。言わないでくれ。赦してくれ。赦してくれ。許してくれ。

貴方の人生を蔑ろにした。そして私が、貴方の幸せを認められない限り、私は、ずっと貴方の人生を蔑ろにしようとしているのと同じだ。

お前が、ぶち壊れたから、お前が、ぶち壊したんだろ。

お前は人だ。一人の。そうだろう? 肩書が重苦しくて嫌だったんだろ。だから「理想像を押し付けないで」と言った。この認識で違いないか? 違うなら……やっぱりメンヘラ野郎は面倒くさいな。同族嫌悪だよ。

やっぱり死んだほうがいいかもしれない。私がいる限りお前は自由にはなれない。開放なんてされることはない。なら、やっぱりさっさとこの世を去るのが貴方への愛情だと思う。 ロマンティックだろ! お前のために首すら絞められたらどれほど良いだろうか!!!! 本当に命まで懸けられたら理想的だな。僕はそこまで強くない。結局のところ自分が一番可愛い。

くびるなんて、夢見がちだ。

泣き声が煩いからずっと首を絞めてやりたかった。

ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、こんなこと本当は思いたくない、苦しめたくもない、暴力だって振るいたくない、俺はあの父親とは違う!! 違う、違う、違う!!!! 違う。 本当は暴力と恐怖で支配したい。可哀想な貴方が好きだ。柔らかくて優しいから。優しい貴方が好きだった、だから、いつまでも可哀想で、いつまでも貴方の味方は私だけでいいのに。

嘘、嘘、全然こんなことこれっぽっちも思ってないよ。ちょっと誇張して脅かしたかっただけ。全然、全く、思ったことなんてないから。本当に、嘘じゃない、嫌わないで、嘘だ、嘘つき。

本当は、本当は、 本当は

何も知らなかった、無邪気で、能天気な、無力なあの頃にただ帰りたい。

二人きりの孤独の夜に帰りたい。私は貴方がいたから孤独じゃなかったけど、貴方は私がいても孤独だった。だからずっと二人ぼっちだったんだ。貴方の寂しさが好ましいとずっと思っていた。孤独な貴方が好きだった。

何か勘違いしてないか? 因果関係、相関関係がグチャグチャだ。好きだった人が孤独だっただけで、孤独な人が好きなわけではない。あまりにも幼い頃だったからおかしな刷り込みをしているな? お前は馬鹿だ。脳も発達していない幼子だった。僕は馬鹿なお前の代わりにこれほどまで尽くしているというのに。あーあ、馬鹿だなぁ!

記憶を美化し過ぎだ。
そうでしか受け入れられないんだな。

お前、何様だ。

認めたらぶっ壊れそうだ。既にちょっとイカれてるのに。いやだいぶ。とても。思い込みが激し過ぎる。曲解のし過ぎた。

だから、だからだからだから嫌いにならないと。だから、だから、だから。冷静にならないと。あの人は僕を突き放した!! ならそれが答えなんだ。きっとさっさと離れてほしかったに違いない。それがあの人なりの愛情だったから、ちゃんと愛情は受け止めないと、あの人はあの人なりに考えてその選択をとったんだ、それが正しいかも間違いかも決めるのは僕だ。絶対に間違いなんかにさせない、たとえ間違いだったとしてもそれを間違いだなんて認められない。

……選択をしたあの人のことを正解にして、その正解が認められないからあの人のことを嫌う。そうすることで、ただ私が駄々をこねているだけ、ということにしたかった。

不器用な愛情は、受け手が、すくい取らないと。だから、私は、一生懸命…………これも違う。愛情が欲しかったから勝手にそこに愛情を見出そうとしていただけ。これは“勝手”だ。相手の心だと思い込みたかっただけ。

お前、こういうのなんて呼ぶか知ってるか?
コンプレックスっていうんだよ。しかも超拗らせの。

はは、忘れてくれ。こんなの全部勘違いと妄想だよ。酷い……ただの感傷だ。そういうことにしておいてくれ。

4/22/2024, 8:35:15 PM