渚雅

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«ひさしぶり»

最上級生になった気分はどう? 体調は?
貴方は無理はしがちだから心配だわ。
部活の方は順調? 大会には顔を出すつもりだから頑張ってね。なんて重荷になってしまうかしら。実力は誰よりもあるから平常心で挑めばいいのよ。

私の方も新天地でなんとかやっているわ。あなたの志望校もここなのよね? 言ってくれれば案内するから声かけて頂戴ね。


P.S. 卒業式の日は花束をありがとう。一輪だけだけれど栞にして取っておいているわ。




月に一回の部活のない日の午後6時。無感情な通知が卒業してしまった大好きな先輩からの連絡を告げる。急いで内容を確認すれば先輩らしい優しく思いやりに充ちたメッセージがそこにあった。

もう使われることの無いと思っていた連絡先。それでも消せなかったその未練を見透かしたように届けられた言葉はきっと私にとって何よりの御守りになるのだろう。

それでも、その純粋な優しさが少しだけ痛かった。だってあなたの思う可愛い後輩なんてここにはいないもの。


(あの花束は……)

黄色のチューリップ·アネモネ·シオン·黄色いスイセン·ワスレナグサetc. 可憐な花に込められた想いは

マジナ
それは呪い


(こんなにも、一方通行だ)





「望みのない愛」「儚い恋·恋の苦しみ」「君を忘れない」「私のもとへ帰って」「私を忘れないで」

4/15/2024, 12:55:50 PM