勝ち負け
生きてきた中で勝ち負けをした事がない とゆうか
めんどくささが勝っていた。
勝ち負けを気にした所で何になる。どうせ1年も経てば
そのことは忘れるし、負けたら嫌な思いをするだけ。
テストとの上位に入ってあの子に勝ちたいとか、
あいつが何を買うかで賭けをしたりなんてめんどくさい事は僕には縁もゆかりもなかった。
中学を卒業して、高校に入ると部活が始まった。
バレー、サッカー、軽音楽部、美術部。
今年は教える先生が減り、
この5つの部活だけが残った。
僕は音楽も美術も苦手な部類なのでやるなら
スポーツしか無いのだ。
サッカーは外でやるのが苦痛に感じそうだったのでやめた。
なのでバレーに決めた。
バレー部に入り1ヶ月が経とうとしている。
僕は背番号9番を背負っている。
ここの部活はそこそこ上手いが、凄く上手いかと聞かれたら上手くは無いし、凄く弱いか、と聞かれたら強い方だと答える程度の部活だった。
でも熱量は凄くて、ここの部活に入っている人達は本当にバレーボールが好きでやっている人がほとんど。
だからそこに1年でバレーも初心者+あまり好まない。やつが入ったら最悪だろう。
そして大会があり、背番号9番を背負い、内側へ。
「1本決めろーー!!」「イケイケー!」
まずは先輩のサーブから、強烈なサーブが入り、相手も唖然としている。
先輩はバレー部の中でも1番バレーの事を愛していて、バレーの事を一番に考えている人間。
試合も先輩のサーブ、カバーがあり勝てた。
僕は未だに勝ち負けには興味が無い。
でも皆は勝ったことに喜び、1番になれたことを
喜んでいる。
そんな中に1人、喜ばないやつが居るなんておかしいと思い、トイレに駆け込んだ。
トイレの鏡で感情が抜け落ちたかの様な顔をしているのを眺めて、笑顔を作ってみせ、喜んで居るような表情を作り上げた。でもどうも胡散臭さが抜けない。
感情作りをしている所にこの大会の一番強者の先輩がいた。
先輩はフッと鼻で笑い、「お前なんでそんな鏡で笑顔みてんだよ」と笑われた。
「お前勝ち負けに興味無いだろ。」
確かにそうだ。興味は無い。でも表情に出ていただろうか、。
「フッ図星だろ笑」「まぁはいそうですね。」
「まぁそんな気はしてた。さっきだって喜んでるように見えなかったしな。」「、なんかすみません。」
「いいのいいの。最初なんて興味無いもんだからよ。」「でも、」「まぁまぁそう考えすぎるなって、お前はまだ入って1ヶ月だろ?なら興味が湧かないのも当然だ。だってまだ少ししか練習してねーもん。」
「まぁ確かに練習は少ないですが、」
「練習を死ぬほどやって、練習したのを大会で発揮しないと興味は湧かないものなんだよ。少ししか練習しなくて、大会出て、負けても全然後悔しないんだよ。全く練習してないからな。でも死ぬ程練習して大会出て勝つとすっげー嬉しいんだわ。死ぬ程練習したからな。でも逆に、死ぬ程練習しても負けたらすっげー悔しいの。これが勝ち負け。」
「、はぁ?、」「まぁやってみないとわからんわな。じゃあ次の大会まで死ぬ気で練習しろ。そして勝ち負けを知れ。」
「、、わかりました。」
1時間、2時間、3時間、、、。
今日は何時間やったかわかんないぐらい練習をした。
明日は大会。今日まで死ぬ気で練習してきた。
だから明日は頑張って、勝ち負けを知れる機会を作る。
「「よろしくお願いしマース」」
ピーッと笛の音がなり開始の合図と共に全員に緊張がハシル。
30分たって、やっと勝敗が決まった。
緊張がハシル。ここまでやってきた事が無駄にならないよう、勝てるよう。
結果は 「負け」
「ありがとうございました。」
その時初めて勝ち負けの重さを知った。
悔しかった、あんなに練習したのに。
「おーお疲れさん。」「先輩」「悔しいか?」
「はい、凄く悔しいです。あんなに練習したのに負けました。」「まぁそうだな。でもこれでお前も勝ち負けを知れて、興味を持てたな。」「これが今日のお前の成長。この成長を大事に、大切に取っておけよ。」
この日俺は初めて勝ち負けの重さを知り、
悔しさを知った。
こんな長い文章を読んで頂きありがとうございます。
どんな事で勝ち負けを知れるのか考えた末こんなに長い文章になってしまいました。
ほぼポエムみたいな文章を読んでくれた方にはほんと感謝しかないです。
私が書いた文章で感動してくれたり、心に響いてくれて頂ける事は本当に嬉しい限りでございます。
本当にありがとうございました。
5/31/2025, 6:02:43 PM