季節は秋めいて、風が冷たく感じるようになった。金木犀の芳醇な香りが風に乗って漂い、夜は鈴虫の大合唱が響く。季節の移ろいを五感で実感する。そんな事を考えながら遊歩道をゆっくり歩く。人々が行き交う喧騒の中、ふとした瞬間胸に孤独が灯る。「(………一人って、寂しいな)」不意に湧き出た本音。それを誤魔化すように深く息を吐き、空を仰いだ。暮れゆく空には一番星が輝き、それはまるで、寂しさにそっと寄り添ってくれているようのようだった。#秋の訪れ
10/2/2025, 2:32:05 AM