ヨルガオ(短編小説)

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そろそろかな。

午後5時。街が夕日に包まれる頃、あの音は響く。

ポロン……ポロン……ポロン……ポロン……

ド…ド…ソ…ソ……。今日はきらきら星かな。

向かいのアパート。そこには小さい女の子がいる。

まだピアノを始めたばっかりらしく、

弾くペースはゆっくり、一音一音ずつだ。

けど………。

毎日少しずつメロディっぽくなってきている音に

私は魅了されている。

一生懸命弾いているんだろうな

誰の為に弾いているんだろう

隣に誰かいるのかな

なんて、想像をする。

どんな子かわからないけど

きっとピアノが好きな子なんだろうな。

想像し、期待している。

将来、その子が弾く様を。


ー君の奏でる音楽ー

8/12/2023, 1:00:44 PM