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優しさ
『親友』
0時58分
撃「俺、寝落ちするわ〜」
透「おいっ!、もう死んだからって寝るなよ!、試合まだ終わってなーぞ、それに寝落ちする奴は寝落ち宣言なんてしねーよ笑」
撃「もうお前ぇしか残ってねぇし、負け確だろ」
透「わかんねぇーだろ、こっから俺1人でワンチャン逆転あんだろ!」
撃「じゃあっおやすみ〜」
透「てめぇ!おい!」
俺の名前は田中撃(たなかげき)、ゲームネームはヒット
友達の衣笠透(きぬがさとおる)、ゲームネームはスケ。
俺達2人は高校1年のときに出会い、同じクラスで隣の席になりよく会話するようになって、互いにゲーム好きとわかってからは毎日家に帰ってから夜中まで通話ソウトで繋いで会話しながらゲームを一緒にするゲーム友達となっていた。
そんな生活をして1年が経って2年生になったときゲーム友達が一人増えた。
キーンコーンカーンコーン
最後の授業が終わり、俺達がいつものようにこのあとドラゴンナイトというゲームをする約束をしていたら
明「あの!、ドラゴンナイトの話だよね、僕も好きなんだ、」
後ろの席に座っていた声すら聞いたこともないぼっち陰キャの野澤明(のざわあきら)が勢いよく席を立ち言った。
しばらく沈黙が流れた。
そして透は言った。
透「ホントに!?、じゃあこのあと一緒にする?」
クラスで浮いてるぼっち陰キャと仲良くなったら自分までクラスで浮いた存在になる。
だから俺は透がこんなぼっち陰キャと仲良くなろうとしているのが理解できなかった。
そして考えた挙げ句1つの答えが出た。
前から知っていたことだった、透は優しい人間なんだ。
でも優しい人間とは他人のために自己犠牲できる人のことだ。
そんな不便な生き方絶対におすすめできない。
学校の帰り道、透と2人になった。
撃「なっ、透って優しいよな」
透「ん?、何?急に褒めてきて、今俺金しか持ってねーぞ」
撃「でも、不便な生き方してないか?大丈夫か?」
透「ふ·べん?、便はちゃんと出てるけど」
撃「そういうことじゃねーよ笑、真剣に聞いてんだから笑かすなよ笑」
透「ごめん、ごめん笑」
撃「あんなぼっち陰キャと仲良くならなくてもいいんじゃないか?」
透「ぼっち陰キャって、明のこと?、お前意外とひどいこと言うな笑」
撃「俺は心配してんだよ、優しいってのはいいことだけど、でもそれで自分自身を縛ってしまったらダメだろ」
透「撃が言ってることはわかるし、心配してくれてありがと、でも俺は別に自分自身を縛ったりなんかしてねぇーぞ、明とは前から仲良くなりたいと思ってたし」
撃「怖くないのか?、クラスで浮いてる奴と仲良くなろうとしてるんだぞ」
透「怖い!、でも精一杯勇気を振り絞った人の思いを無下にする方が怖い!、お前も聞いてたろ、明の声震えてた、もしあそこで無視してたら俺は一生後悔する!、あの震えた声が死ぬまで俺の頭にこびりついてとれなくなる」
撃「自己満足って、ことか」
透「そう!自己満、だから周りからどう思われようと関係ない!」
透らしいと思った、透は優しくてヒーローみたいな奴だ。
撃「ふっ、なら俺もお前のその自己満に付き合うわ」
透「いいのか?、お前もクラスで浮いた存在になるかもしれないんだぞ」
撃「透とならそれでもいいわ」
透「そっか、撃が一緒だと心強いわ、ありがとな」
透「俺のことを心配して言ってくれて、そして俺の自己満に付き合ってくれて、本当に1番優しいのは撃だな」
1/30/2024, 11:11:14 AM