【何もいらない】
「お前の作った物語、つまんねぇよ」
「どうせ難しいって。時間の無駄じゃん」
「めんどくせーわ」
そう言ってネガティブな言葉に引き裂かれた紙。
僕はそんな骸を見ながら、喉の奥がひりつくのを感じていた。
目頭が熱い。
もうゴミにしかなれない、紙を拾う手が震えた。
言葉は、うまく出てこない。
どうせ上手くないのなら、もう、言葉なんて、湧き出てこようとしなくていいのに。
もう何も、やらなきゃいいのに。
泥だらけに汚れたゴミを拾い集めて胸元に押し付ける。服だけじゃなく、地についた膝まで汚れた。
その姿が自分にお似合いなんだろう。
背を丸めながら、息を殺して泣いたんだ。
もう、誰にも、何にも言われたくなくて。
4/20/2024, 12:19:24 PM