ほのかな暖かさの中に微かな寒さを感じる頃ですが、貴方はいかがお過ごしでしょうか。今宵は私から筆を執らせていただきました。
さて、人には得手不得手、好悪などございます。本日は私の恐る悪について綴らせていただぎます。
何時ぞやに私が仮面を被っているお話をしたことと存じます。この仮面を外すことを私は不得手としており、それは貴方の前でも同様のことでございました。
きっと貴方が想われる私の姿は無数に存在する私の一つで、その私で無くなるのがどうにも恐ろしくてならなかったのです。私は常日頃、笑顔という仮面を被っております。この仮面は数多の人々に伝播する力があり、日常を都合よく過ごすことを可能にするのです。しかし、私はこの仮面を多用し、いつのまにか張り付いていたようです。
幾度となく飲み込まれ、何度本来の顔を見失ったのか数えることも心が向きません。張り付いた仮面から見える景色はほんの僅かで、外の人々の顔もはっきりとはわかりませぬ。
そのような日常の中、心が大きく揺れ動くことがございました。仮面を持たぬ貴方と出会ったのです。折に合わせ仮面を被っては、また外しを繰り返し生きていた私に貴方は少々眩しすぎるように写りました。
そのせいでございましょうか、私も知らぬ間に仮面をとっていたようでございます。この頃は景色がとても美しく鮮明に感じておりますよ。
貴方にお伝えしたいのは感謝と我儘でございます。貴方の光で私は仮面を外すことが叶いました。しかし、時折、仮面を被ることもございます。その際には、また私のことを照らしていただきたい。
私が好きじゃないのは、仮面を被ることでなく、
貴方の笑顔がはっきりと見えないことのようなのです。
草々
3/25/2026, 12:26:40 PM