狭い部屋の片隅で僕は泣いた
震えて泣いた
癒えない傷が心を蝕む音が聞こえてきそうだった
恐怖という名の見えない針に心を貫かれて
この苦しみはいつまで続くのだろうと思った
僕はなんて駄目なやつなんだ
何故人間なんかになったんだ
そんな言葉ばかりが頭を巡る
この状況を打開するには……
駄目だ何も思い浮かばない
もう消えてしまいたい
僕が僕でなくなる前に
そうだ最期に迷惑かけてやりたい
大嫌いな人間に
そうして僕は包丁を隠し持って外出するようになった
でも僕にそんな勇気ある筈が無かった
だが諦める訳にはいかない
これが僕の使命だといつからかそう感じていた
居酒屋で安い酒を煽り
ぼーっ とする頭で
薄暗い路地裏に入ってきたやつらを刺した
飛び散る鮮血
静かな夜に響く呻き声
完璧だった
泣きたいような笑いたいような気持ちだ
恍惚の境地オルガズムの域
あぁ神様見てますか
僕は残酷ですね
でもあなたは僕に天罰を下す事が出来ない
何故なら僕は今から死ぬから
せいぜい後悔するんですね
僕をこの世に産み落とした事を
Title¦狭い部屋
6/4/2022, 11:14:44 AM