詩『入学式』
(裏テーマ・誰よりも、ずっと)
入学式。
期待と不安に押し潰されそうな会場には、
スマホをこちらに向けた親たちがいた。
同じ新入生には、
ニコニコしてる者や
ガッポーズして親のカメラに写ろうとする者
ひどく緊張して俯きつまづいてる者
早くも友達を作っている者
ひとり言を喋ってる者
先生も様々だ。
笑ってる、睨んでる、苛々してる、無表情、
年齢も幅広い。
私は「誰よりも、ずっと」努力した。
逆に言えば、ギリギリ入れた学校だった。
底辺からの出発だ。
みんなが頭が良くて優秀に見えて、
どんどん私は小さくなって、
教室に行った頃には、ほとんど消えていた。
ぱっ!と視界が明るくなる瞬間があった。
衝撃だった。
人はそれを、ひと目惚れと言うだろう。
どうでもいい。
でも、私はがんばる意味を手に入れた。
誰よりも、ずっと。
そう誓った。
未来の記念日にしたい四月だった。
暖かだけど、少し風の強い、
君の笑顔が似合う、晴れた日だった。
4/9/2024, 2:42:15 PM