ワシの大切な相棒が風邪をひいたらしい。次の日が休みだということで久々に閨の誘いでもと思ったが、こればかりは仕方あるまい。頭に濡れ雑巾を掛けて立ち去ろうとすると、着物の袖を緩く引かれた。「……」熱で潤んだ瞳がこちらを黙って見上げてくる。やめとくれ、今は目の毒でしかない。「熱、移してもいいか?」果たして我が相棒はどこまでも男前だった。一体何処でそんな誘い文句を覚えてきたのだろうか。お望み通り熱を分けてもらうとしよう。
11/26/2024, 11:39:50 PM