いしか

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泣かないよ、泣かない。
涙は見せない。
そう決めたでしょ?

私は、私にそう言い聞かせる。
だって、これは私の強がりでもあって、意地みたいなものでもあったから……。

何となく、薄々と気づいていた。
彼には、他に思いを寄せる人が居ること。
でも、よく考えると、私の方が後に彼の事を好きになったのだ。


最初から、私は彼の1番ではなかった。

1番だったけど、仮の1番だった。
いつでも、容易に変わる1番だったのだ。

でも、それでも良かった。
だって、彼の事が好きだったから。
彼が、私を好いてくれるのが嬉しくて、幸せだったから。

でも、それはほんの少し前までの話。
彼の本当の1番の女性(ひと)が現れたら、
私は、やっぱり引かなきゃと思った。


本当は嫌だった。
それに、悔しかった。
私のほうが彼の事を好きなのにと思った。


でも、自分の本当の気持ちを濁す彼を見ていて、私の方が我慢出来なくなっていった。

だから、サヨナラをした。

静かに、涙を流さず、平然と、サヨナラした。

それが、私なりの抵抗で、少しの復讐でもあった。


サヨウナラ。
バイバイ。


気持ちが流れていくには、まだまだ時間はかかりそうだけれど……

今も、涙があふれて出そうなのを必死で堪えているけれど、それでも、この道を選んだ私を、私は好きだし、かっこいいと思う。


バイバイ。
サヨウナラ。
大好きだったよ。


3/18/2026, 7:30:45 AM