トラウマというものは、なかなか消えてくれない。
あれからもう6年も経ったというのに、未だに立ち直れずにいる。夜眠るのが怖い。目を瞑るのが怖い。不意に思い出す記憶の断片が怖い。
脳裏に焼き付いて消えない、アスファルトを染める赤。四方八方に散った肉片。ものと化した身体。大きく見開き、こちらを見つめる眼球。辺りに充満する鉄の臭い。
ふとした瞬間に思い出す。そんなのをもう6年も続けている。周囲の哀れみと同情の目も、6年も経ってしまえば、呆れと軽蔑の色に変わる。
今日も息をするのがやっとだ。
この世界は本当に生きづらい。
11.9 脳裏
11/9/2024, 11:34:47 AM