真横に吹きすさぶ湿った雪の中へ買い物に出た。手袋無しで出たことを少し悔やんだが戻るのも疲れる。ちょっとのがまんだ多分。防寒着の袖を伸ばして手をしまい込む。
手袋に関して流浪の民をやってしまうのはきっと私だけじゃないと思うのだが、手袋もいろいろある。単に道行きで冷やさないようにするための手袋や、除雪作業など屋外でのワーキング用とか、お洒落にウェイトを置いてる手袋、スキーグローブなどなど。使用目的によって違う。だが、最も寒い厳冬期はどの手袋も指先は冷えて痛くなる。そして流浪が始まるのだ…
昔、祖母が私の手袋を毛糸で編んでくれた。親指だけが独立している「ぼっこ手袋」だった。当時は「おばあちゃんが編んでくれた手袋」を使っている友達も少なくなかった。互いに見せて地味な自慢大会をやっていた。全員、「編み物であるが故に風通しが良い、むしろ良すぎるので手袋にわざと雪を分厚くくっつけて風通しの良さをつぶす」ことをやっていた。現在よりも昔のほうが寒かったのに、子供だったからか平気だった。
ごくたまに、鍋つかみが手袋みたいな状況になる。小鍋に分けたものや炊いた鍋ごと運んだりするからなんだが、大抵みんな手袋か鍋つかみか区別しない。「手袋あるじゃないか」と言われる度に、鍋つかみをはめた両手を思いっきり広げて突き出し「鍋つかみじゃ!」と事実を伝達する。鍋つかみのあたたかさ自体は、かなり良いセンいってると思う。そういえば耐熱性・断熱性の高いことが当たり前のアイテムだね…手袋より強い?
12/28/2023, 12:58:02 AM