とある恋人たちの日常。

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 スマホやタブレットが当たり前のご時世だけれど、これだけは紙媒体でも残したいんだよね。
 
 俺は手を伸ばしてアルバムを取り出してページをめくる。
 古いものから、ぱらぱらとめくっていると足元にドンと衝撃がかかってよろけそうになった。
 
「う?」
 
 声の方に目線を下ろすと愛しい天使が俺の足にしがみついていた。
 
 俺はすぐにアルバムを戻して天使を抱き上げる。
 
「どうしたー?」
「わー、ごめんなさい!」
 
 愛しい奥さんが天使が近場のものを口に入れないよう、後片付けをしながら追いかけてきていた。
 
 天使は愛らしさ満載で笑っているけれど、これは破壊神してきたな。
 
「見てくれて、ありがとう。俺が見るね」
「うう……すみません」
 
 天使は曇りなき眼で俺を見つめてくる。
 
「もう、ママを困らせたらめーだぞ」
「う?」
 
 まだ分からないからね。仕方がない。
 この無垢な天使を見ていると俺も彼女も自然と微笑んでしまっていた。
 
 こうやって、またアルバムのページを増やせたらいいな。
 
 
 
おわり
 
 
 
四七四、ページをめくる

9/2/2025, 1:58:41 PM