いつまでも捨てられないもの
そっと私を見つめる深い青色。
透き通るような肌。
フリルがついた可愛らしいドレス。
そして、太陽の光を集めたかのような金髪。
そんな貴方は品があるけれど、どこか可愛らしかった。
雪が降ったら貴方に手袋をつけた。
雷の時は、貴方のベッドの中に潜った。
どれも捨てられない淡い思い出。
貴方とお茶会を開いた公園に貴方を置いて帰ってしまった時も必死に探した。
それくらい貴方が大事なの。
お父様やお母様は、薄汚れた貴方よりも綺麗な子の方が良いと言って、新しい子を私に勧めてくるの。
でも、やっぱり貴方じゃないと私じゃないの。
ずっと手離したくない。
私が歳を老いても、貴方は磨けば美しくなる。
私の代わりに生き続けて欲しい。
だって貴方は私なのだから。
だれも、いつまでも捨てることが出来ないわ。
#22
8/17/2024, 11:34:33 AM