イブの夜。
俺は1人、デスクに向かっていた。
「は〜あ。相手がいる人はいいよな」
俺にも恋人がいたなら、きっと、イルミネーションを見て、夜景のキレイなレストランで食事でもするのだろう。けれど、俺にはそういう相手はいない。
「…今ごろみんな、恋人とのデートを楽しんでるんだろうな」
部署のほとんどの奴らが定時で帰っている。
「けどさ、待ち合わせに間に合いそうにないからって、終わってない仕事を俺に押しつけなくてもいいだろ」
文句を言う前にさっさと帰られ、あとでトラブルになっても困るので仕方なくやっていた。
「来年こそは、押し付ける側になってやる」
静かな部署に響き渡るほどの大声で、誓うのだった。
12/25/2024, 8:01:00 AM