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 「……ぁ、あなた、だれですか?」
 首が絞まってそのままちぎれちゃったのかと思った。
 何より大切な人にこれまでの思い出を否定されたら、こんなに苦しいものなんだ。
 もうなんでなんでって情けなく泣いて怒鳴ってしまいたかったけど、終いにしたかったけど! あたしは知ってる。あんたが生きてなかったら、あの事件から奇跡的に助かっていなかったら、きっともっと痛かった。
 「あんたの、味方だ。」
 きょとんとしながら「僕の……?」と躊躇いがちに返すあんたは、もうすっかりあたしのことを知らないあんただった。ならば、それならば。
 「ね、またさ。友達になろうよ。」
 「ともだち」
 「うん。」
 あんたは長考の末、あたしが差し出した手を取る。この苦しみが無くなる日は案外近いだろう。



 あなたは誰

2/19/2025, 12:39:41 PM