お気に入りの黒い厚底ブーツをはいて
姿見に姿を映すと、
疲れ切った顔のお姉さんと視線がぶつかる
思わず口からこぼれる乾いた笑い
あ、急がなきゃ
7時を告げた腕時計と共に
慌ててドアを開け
外に飛び出すと
透き通るような淡い青
たおやかに広がる陽光
静かに群青色を秘めた山々の影
鮮やかな色彩を纏ってゆるやかに広がる世界が
目に飛び込んできた
何がかはわからないけれど
なんとかなりそうな気がして
自然と口角が上がる
コツコツごきげんな足取りで
駅に向かう
「冬晴れ」
1/6/2023, 6:06:25 AM