襟足林

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私はいつだって、失ってから大切なものに気づく。

愛した人、受けた愛、取り留めのない毎日。

全て自分にとって当たり前でありふれたものだった。

それでも時間という打ち寄せる波に揺らされ私の世界が変わって、私の手のひらから砂のように全てがこぼれ落ちていって初めて、それらがかけがえのない輝きだったことを知る。

それでもきっと失うという痛みはそれを愛していた証そのものだった。

この痛みを忘れないまま次は失う前に、大切なものをぎゅっと一度くらいは抱きしめてあげたいと思った。

4/2/2026, 3:10:14 PM