冬至。

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                  びーえる…?

もうなんかダメだ。
好きだなんて認めたら止められなくなった。
あれなんつーの?びーえる?とか言う女子がやたらと好きなやつ。
何回目かの出演オファーで仕方なく引き受けたやつ。
その相手のやつが思ってた以上に可愛くて。
コイツが相手役なら恋も表現しやすいかなーとかそんな始まりだったと思う。
でもやたらと人懐っこくて、でも案外重たい過去持っててそして何より仕事に一生懸命で。
今まで女としか付き合ったこと無かったけどアリかもしれないとか思ってしまったのが運の尽き。
そう思ってしまったら感情なんてたぶんダダ漏れでコイツには何でもしてやりたいって思う。
幸運な事にこのドラマと言うやつは結構絡みがあるやつで堂々とコイツと絡むことが出来る。
コイツも真摯にこのドラマに向き合ってるからどんな絡みでも笑顔で嫌がらずに演じてみせるのが救い。
それに乗じて台本にないスキンシップを取ったり情熱的に演技を超えて絡み合ったりする。
その頬に触れて首筋を辿り男にしてはしなやかなその肌に何度も何度も触れては口付けをした。
嫌がられたりしないかなんて考えなかったわけでもない。
まるで本当の恋人かのようにそれが普通かのようにすべて笑って受け入れる。
「俺が本当に男の人好きになったらどうしよう」
「この役はいいよね。こんなに君に愛されて」
そんな熱に浮かされた目でまっすぐ見つめられた時は理性が飛ぶのを必死に抑えた。
これはきっと演技上のことなんだからそんなはずはない。
咄嗟に聞き返すと慌てたように「冗談だよ」と笑って返された。
その答えに落胆したり、それでも毎日繰り返される虚構の睦言。
縮まる距離感にドラマ外での戯れのなかに甘い駆け引きがある気がしてならない。
「本当に君は男の人が好きではないの?」
堪らず聞いてしまったことがある。
「当たり前だろ」
目を逸らして素っ気なく言われてそれ以上踏み込めなくなった。
それでもいつでも隣りにいて気付けばどこか触れ合ってて姿が見えなくては探して探されて。
触れ合ってると心が満たされて誰か他の人と仲良くしてると気に食わなくて思わず嫉妬丸出しで間に入ったりした。
こんなにも周りにもきっと分かるぐらいアイツに惚れているのにその線を越えることが出来ない。
ただただ演技の上でしか触れ合えないその口付けを何度も何度も重ねて思いを乗せてこの熱を伝える。
お前が好きだよ。好きだよ。
目が合うアイツは目を見て伏せてそれをそのまま受け入れる。
それでも俺らは…。


                (溢れる気持ち)
         あれ…打ってる途中で7時なった。
         これはどーなるの?今日の分??

2/6/2026, 10:05:07 AM