そんじゅ

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僕はキリンの背中に座り、セイウチ(かアザラシかトドか分からないけれど、とにかくそっち系の仲間の生物)のコロニーをゆったりと掻き分けながら、夕暮れの寂れた商店街を通りぬけようとしている。はげしく設定のバグった世界だ。

体感的には旅を始めて1週間ぐらい過ぎたような気がするけど、いつまでたっても夕日は沈まないし、商店街はどこまでも続いている。よくよく観察してみると、200メートルぐらいの間隔で同じ店の並びがループしているし、うっかりキリンに頭を踏まれて血まみれのセイウチも数十分に一回のペースでまた僕たちの行く手に現れる。

なんだこれ。走馬灯ってやつなのか?
まるで理解できない道のりを延々とループしているこれが?それとも僕は何か、理解しがたい、あるいは理解をしたくない何かについて拒否しようとしているのだろうか。

……わかったよ。
オーケー、諦めをつけろってことだろ。
そろそろ認めてやってもいい。

死出の旅路は雪風吹きすさぶ荒野か、はたまた石段をくだり続ける洞窟なんてのを想像していたが、そもそも人間の想像力の及ぶ世界ではなかったってことだ。

きっと、未練なんて全部擦り切れてすべてがどうでもよくなるまでこの良く分からない道をいくんだ。


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「仲間」

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所感:
こういう道もある。

12/12/2022, 9:58:47 AM