目が覚めて車窓に目を凝らす。目的地まではまだ三駅ほどあった。首をほぐして左右に傾けると、耳の奥でゴリッと嫌な音がした。
地下空間の真っ暗な控室で制服に着替えて、あやかしばかりが参加する宴会の給仕係とか。出社してからその日の業務地が発表され、どこまで歩けど辿り着けない仕事とか。近頃そんな夢ばかり見る。さっきのは、医師としてなにか手術をしかけて麻酔が切れて大惨事というものだ。
スマホを取り出した。地下鉄が地上に出た。車体が動くにつれ、太陽が真正面へと移動する。夕陽がやわらかく瞳を刺す。隣の席には無心に漢字の書き取りをする学生服。
日記代わりのSNSに今みた夢を書きかけるうち、輪郭が次々とぼやけていく。デリートボタンを連打して、住宅街に沈む光を眺めた。
『閉ざされた日記』
1/19/2026, 9:34:04 AM