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「もうお別れか……」
「そうだね。」
親友のリイが悲しそうに呟いた。今日はリイがこの町から引っ越して行く日だ。少し前まで、一緒に笑いあって、泣いて、時には喧嘩した。大切な思い出が次から次へと溢れてくる。それと同時に涙がこみ上げてきたが、ぐっと飲みこんだ。
『間もなく、一番のりばに電車が参ります。ご注意ください。』
電車がくるアナウンスが聞こえてきた。そして、電車がホームに入ってきた。
「じゃあ、もう会えないけど、今まで親友でいてくれてありがとう。今日まで楽しかったよ」
「私も。引っ越しても元気にしてね。」
「……うん」
リイが電車に乗り込む。その顔は今にでも泣きそうな顔だった。
「……これからも。」
気づいたらそう呟いていた。リイが驚いた顔でこちらを見てきた。
「これからも、離れていても、もう二度と会えなくても私達は親友だよ!私達の絆はそう簡単に消えないから!」
今まで我慢していた悲しみが一気に爆発した。泣き叫ぶようにリイにこの想いを伝えると、リイも目に涙を浮かべて笑っていた。
「……ありがとう。」
その時、電車の発車する音がなった。電車のドアが閉まる直前。
「また、いつか会おうね。」
小さかったがはっきりとリイの声が聞こえてきた。電車が発車すると同時に私は電車の方を見て叫んでいた。
「いつか会いに行くからー!それまでも、それからも、私達は親友だよー!」
涙を流しながら、電車が見えなくなっても手を振り続けていた。
 青空は、春を迎えていた。

11/13/2023, 4:20:36 PM