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朝日に金を帯びた切先が、真直ぐに振り下ろされる。
 一時は危篤を叫ばれながら、五体満足で復活して見せた彼。戦神だと崇める民衆と、太陽だと沸き上がる兵士達と、私は果たして同じ色の瞳で見ることが出来ていただろうか。
 綺羅綺羅しい演説も、勇敢さを彩る顔の傷も、彼らにとっては強靭の証明でしか無いのだろう。
 次が必ず勝利の時だと、張られた低い声。そうだ、そうだろう。私は知っている。
 呑み込むような歓声は、其処に滴る痛みの色を知りもしないが。
 
星が死ねば何となる。砕け消えぬ程の巨星であれば。
民を導く大きく光輝く星であれば。
ーーー其処に残る絶望は、彼の餞に足りもしない。

<たった一つの希望>

3/3/2024, 7:46:00 AM