【神様が舞い降りてきて、こう言った。】
追いやられた狭い場所で
外の人に悟られないように息を殺して
暗闇に紛れるように縮こまって
今日と昨日の境目に座り込んで
日が進まないのをなんとか食い止めようとしていた
このままじゃ自分が壊れてしまうのが
何処かでわかったから
ポケットの中で温めた僕の本当の世界で
誰にも知られずに日々に首を締め付けられていく
いつかどこかで明日に置いてかれて今日の境目から
転がり落ちてしまってもいいと思った
言わずに飲み込んだ言葉で辺りを黒く塗りつぶして
僕がカミサマになって現実とおんなじ暗闇を創り出した
だからきみの歌声が聞こえたのは
僕が創った方だと信じて疑わなかった
白昼夢を見ているようだった
突然現れたそれは夢現な僕が見えていないように
気に留めず自分でもよく知らない感情を人間を歌う
黒く塗りつぶした言葉が
その役割を全うしたように明るく光を纏って消え
透明が全てを攫ってその世界は姿を見違えた
その様はそう、神様が舞い降りたようだった。
その神様も僕が居ないと存在を確定できないのだと
僕と同じなのだと疑い続ける僕を他所に0を歌い続ける
お互いに消えちゃわないように呼吸を分け合ってと
それ以上もそれ以下も無くただ僕に語りかける
初めて綺麗な本物も見つけた感動の衝動に
どうしても抗えなくって1枚の壁越しに手を合わせ
その瞬間初めて自分を見つけたような感覚が走った
僕らは何も持たない同士で寄りかかってやっと1になった
2024-07-27
7/27/2024, 2:39:03 PM