「はぁ…」
「どしたん話聞こか?」
深夜、部屋でため息をつくと声が聞こえた。
「いやね、今日のおd…」
「それは彼氏が悪いわ〜」
「ちょまて…ってか誰!?」
一人部屋なのに誰かからの返事が聞こえるはずが無い。
慌てて辺りを見回してみると、部屋の隅にぼんやりとした影があった。
「俺か?ヨシダってんだ。…まあ話すのは初めてだからはじめましてからやな。」
「あどうもスズキです……話すの"は"?お互い初対面じゃ?」
「まあ見ての通り幽霊やっているんで、一応地縛霊ってやつ?今までずっと一方的に見てはいたで。」
ふと、変な予感が頭を掠める。
「もしかして…下着姿とか…」
「あー、まー、、そうね、……あんた風呂上がりは下着すら着てないからな…。」
恥ずかしくてうずくまる。だんだんと顔が熱くなって行くのを感じる。
「…一応言うとな、この姿になってから性欲が全く感じなくなってな、、あっ、どの下着もちゃんとにあt」
「いちいち言わなくてよろしい。」
なんかしゅんとしてる幽霊を見て、はあっとため息をつく。
「まあ見られてたものは仕方ない…。で?なんで現れたわけ?」
「…さあ?少なくとも、今まで通り過ごしてたはずだけどなぁ」
「…もしかして」
手元にあるスマホの画面を見る。
【お金より大事なもの】
と書かれている。
…観られてる…?
「おーい?どしたん?」
その声ではっと我に返る。
「…あ、ごめんなんだっけ。」
「しっかりしい。見えるようになった原因に心当たりはあるんか?」
「………いや、わかんない。」
「そうかい。いや、しゃーない。俺みたいな幽霊と話すと疲れるんかもな。今日は休みな。」
「…変なことしないでよ。」
「いままで一度もしたことないやろ…。」
「…何されてもわかんないじゃん。」
「…あ、ほんまやなぁ。」
この幽霊はどこか抜けてる。まあ優しいやつではありそう。
そう思いながら、瞼を閉じる。
「いやまって!」
眠ろうとしたところで飛び起きる
「なんやびっくりしたなぁ。なんかあったんか?」
「いや、今日のお話を書かなきゃでさ、お題に沿ったものを書こうとしたんだけど、全く思いつかなくて。どうすればいいと思う?」
「…いや知らんがな。というより、助けて欲しいならお題くらい教えてくれよな。」
「…あ、忘れてた。お題は【お金より大事なもの】」
「…ふむ、それなら俺が適任やな。」
「なんで?」
「俺の答えは、『肉体』だからや。」
「その心は?」
「そんなもん無い。実体験だからや。何ににも触れられず、声をかけても気づかれず、ほかの幽霊のことも見えない。そんな状態より、誰かと会話ができる肉体があれば1番良い。金を持ってても死んだら意味なんか無いからな。」
「ふーん」
「…お前聞いてないやろ。」
「いや聞いてるし。『愛』だっけ?」
「なんも聞いとらんやないかい。」
3/8/2026, 6:09:49 PM