とある恋人たちの日常。

Open App

 ろうそくの火のように、簡単に消えちゃいそう。
 それが彼女の第一印象だった。
 
 彼女が怪我をして、俺が助けて、怪我をしては、助けての繰り返しの彼女。
 いつものように好きな飲み物を配っていると、渡したその飲み物を大切にしてくれていたと知った。
 
 自分の好きな飲み物を教えると、新商品のその飲み物を俺に渡してくれた。俺も渡していたから同じものを交換しただけになって、笑いあった。
 
 俺に後輩ができた頃、彼女にも後輩ができていて、その姿に頼もしさを覚えんだ。
 
 好きな色、好きなもの。
 それと、重なる時間が嬉しいんだ。
 
 振り回され、自分の気持ちを押し付けられることばかりの俺を、気遣ってくれる人。
 
 彼女が良いって思うのは、自然な流れだと思った。
 
「引き寄せた……よね?」
 
 何気なく見つめた左の小指。
 絶対に彼女にも繋がっている、よね。
 
 
 
おわり
 
 
 
お題:赤い糸
 
 
 

6/30/2024, 10:17:24 AM