宝物は全てゴミに出した。今頃は溶鉱炉に投げ込まれているか、埋め立てられていることだろう。大切に保管していたつもりだったが、もう必要はない。廃棄すべきだ。友人だった者、恋人だった者、貰った物、共に買った物。粉々になった硝子は、酷く痛いんだ。なのに貴女のことは捨てられずにいる。唯一救ってくれた者、貴女の物。どれだけ傷付きどれだけ液体が溢れ出ようが手放せないんだ。煌めきが褪せてくれないんだ。
11/20/2024, 10:18:54 AM