愛しい恋人の耳元で囁いてみた。
「愛しています」
直後、鈍い音を立て机に突っ伏した。
そしてうめき声。
じとりと静かに睨みつける瞳には歓喜が宿っており
照れ隠しだと気づいた。
「……不意打ちで言うのはなしにしてくれ」
「嫌です。恋人を放っておく人の言う事は聞きません」
そっぽを向いて怒っているフリをする。
本当は知っている。
仕事で多忙な中で時間を割いてくれていること。
それでも寂しい。一緒にいたい。
「ったく。俺の最愛は寂しがりだな。」
逞しい腕に抱き寄せられた。
その体温に安堵し縋り付くように抱きつけば微かな笑い声が鼓膜を揺らした。
「死が二人を分かつまで俺は君の傍に居るよ。」
4/21/2025, 11:53:46 AM