無垢とは、一言でいうと真っ白なことを指すと思う。
清らか、自然体、純真、偽りがない、素直、
人によっては様々な表現を使うだろう。
それら全ては、心象風景が真っさらに思えるから
言語化するとニュアンスが近い単語が出てくるのかもしれない。
あの人は透明感があるという褒め言葉もあるくらいだ。
それだけ、白く真っさらなものは美しいと私たちは
捉えるのだ。
何故、無垢とは何かと問われると同じような単語を
人々はイメージできるのか。
それは、きっと人間誰しも無垢である一面を持ち合わせているからだ。
厳密にいうと、無垢であった頃の自分を知っている、が
正しいかもしれない。
この世に産まれたばかりの赤ん坊がまさにそうだ。
何一つ、けがれていない、邪推も煩悩も知らない。
まさに、純粋とはこの事をいうのだろう。
だからこそ、庇護欲をそそられ愛おしいと思う。
なかにはその存在を疎ましく思う者もいる。それは、眩しすぎて遠ざけたくなるからなのかもしれない。
白いキャンバスのように、これから鮮やかに多種多様な
色彩に染まっていく。
誰1人として、同じ色には染まらない。それを、個性と呼ぶのだ。
何も染まってない真っ白な状態というのは、これから
何色にでも染まっていく、何者にでもなれる。そんな意味がこめられていると思った。
無邪気な子供の、瞳のキレイさといったら。
良くも悪くも真っ直ぐに見つめられて思わずそらしてしまいそうになる時もあるくらいだ。
だけど、その瞳の奥の心情からは悪意は一切読み取れない。ただ、そこには大人のように凝り固まった先入観が
はさまれていないからだろう。
それを目の当たりにする度に、ノスタルジーな気持ちすら
覚えるのは私だけだろうか。
これから、その無垢な心に色がついて純白ではなくなるかもしれない。鮮やかな色ではないかもしれない。
それでも、色に染まった大人の私たちは、子供の無垢さに
触れて童心に帰れることは可能だ。
だからこそ無垢とは尊いものだ。その美しくて儚い真心を
見守っていきたい。
「無垢」
5/31/2024, 3:58:41 PM