百瀬御蔭

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「律」
「ん?」

 振り向いたその一瞬を逃さない。路地裏にシャッター音が響く。

「撮った?」
「あぁ。綺麗だったから、つい」

 雨上がりの澄み切った空気。
 満月に掛かる虹は弧を描いている。
 濡れた銀糸は月明かりを受けて煌めく。

「そっか。確かに夜の虹って珍しいよね」
「だからお前が映えるんだよ、律。誰にも見せるつもりはないが」

 廉の言葉を理解し、律はそっと目を逸らした。

『WallPaper』
お題
君と見た虹

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2/22/2025, 12:29:19 PM