※閲覧注意※
幼馴染シリーズ。
【初恋の日】
いつも一緒。
片時も離れず、傍に居る。
それが、常だった。
社会の波に流されながら、少し距離を置くようになった頃、突如として自覚する事になった。
(あぁ、好きだな。)
ふと過ぎる言葉が、しっくり来る様な気がした。
あなたは、いつもクラスの人気者。
「ねぇ、かっちゃん!次、移動教室だよ!行こう!」
ここは学校だ。ぼんやりしている暇はない。
「かっちゃん、気分悪い?」
不思議そうに覗き込む黒い瞳に、ぼんやりした自分が映り込んだ気がした。
「大丈夫。ちょっとぼーっとしてた。」
教科書とノートを持って、席を立つ。
「かっちゃん、待って。それ前の授業のだよ。1回座って。まだ時間あるから、ゆっくり行こう。」
手元の教科書と室内の時間割表を見て、全く違う組み合わせだと気が付いた。
「…うわ。本当だ。」
机の中にある次の授業の教科書とノートを出す。
「かっちゃん、首裏触るよ。」
しっかり体温を計られるのは、いつもの事。
「熱は、無さそう。」
ひんやりとした心地良い掌が首の裏に当たって、気持ちが良い。
「カズくんの手、冷たい?カズくんこそ、平気?」
無事に、次の授業の教科書とノートを確保して、席を立つ。
「え?あ、ごめんね、冷たくて。さっきトイレ行って手を洗ってきたから、かな?」
ちゃんと洗ったよ!と念押しするのも、いつもの事。
「気にしてないから。大丈夫なら、良い。」
優しい気遣いは、誰にでも振舞われる。
「こっちこそ、ごめん。気にしないで。」
冷たくて気持ち良かったとは、言い難かった。
5/7/2026, 11:12:33 AM