これまでずっと
子どものころから優しいね、と言われることが多かった。自分がなにをして、そう言ってもらえたのか忘れたが、友人、年上の人、上司、元恋人、その他いろんな人たちから言われた。
優しいのはいいことだから、私はそんな自分が好きだなと思えた。できる限り多くの人に優しくしようと思った。笑顔で人に接し、なるべく要望に応え、喜んでもらう。
だけど、最近は疲れたなと思う。人に優しいねと言われるたび、心の中でいや普通でしょと思う嫌な自分が顔を出し、本当は優しくなんてないのになと思った。それに無理してやった行いも、自分でこれくらいしなよと思ってしまう。
相手にも自分にもがっかりする一連の流れに、一体どこに優しさがあるのだろう。
そんな自分が嫌で、考えた対処法は一個だけ。感情もなにも発生しない行いを他者にしようと思った。感謝されたり、優しいねと言われたらラッキーだし、何もなければそれでおしまい。
そう過ごすようになってから、だいぶ楽になった。
「優しいね」とこれまでずっと呪いを
かけられていた自分へ
嫌いじゃなかったけど、さようなら。
7/12/2023, 1:12:22 PM