towa_noburu

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通話越しに言った。「バイバイ。」
またね、とは言えなかった。
だってこれが最後だから。
彼女は小学校以来の友達で親友だと思っていた事もあった。
けど、明日からは他人、なんだよな…。
些細な事がきっかけで喧嘩になった。
私はその時に水面下でずっと彼女の自己中さに我慢していた自分を改めて知った。
自分の醜い感情が表に出た時、何より自分に嫌悪感を感じた。
消してしまいたい…。
全部、この感情も、彼女の存在も自分の中から消してしまいたい…。
そんな衝動に駆られた。いわゆる、リセット癖かもしれない。
その後すぐに行動に移した。
彼女の連絡先をブロック。
幸い、通っている大学は違うから、疎遠になればそれまでのことだと思っていた。
けれど、彼女は思わぬ行動に出た。
付き合いが長いからこそ、知っている家の電話にかけてきたのだ。この時ばかりは、実家暮らしを恨んだ。


私が「バイバイ。」
と言った後、彼女は少し間をおいて返事をした。
「…縁があったら、またね。…だって、未来はわかんないじゃない?」
その問いに返事をしないまま、電話を切った。私は自分が泣いていることに驚いた。
自分から縁を切ったのに。今更、なんだろう。涙が溢れ出てくる。
ごめんなさい、は今の未熟な私には言えない。けれど、彼女の言うように、もし未来、縁があればまた2人で心から笑い合えるんだろうか。
わからない。答えは誰にもわからない。

窓の外は、幾億と言う星々が毎日、生まれては死んでいく。
胸が押しつぶされそうな私を美しい綺羅星は
嘲笑うかの如く、地上を照らした。

2/1/2025, 10:30:19 AM