月見茶

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もしも未来を見れるなら

 カーテンを閉めようとした朔良は、後ろに居る圭に話しかけられる。
「もし未来が見れたら、あんたはどうする?」
「無視する」
 間伐入れずに答えた朔良に、圭は一瞬息を呑んだ。
「無視!? 無視ってあんた……明らかに損じゃない。てか、無視って何よ。」
「見ないふりをするだけ。例えば、僕の視界に入ったそのば限りの人が、三十秒後に車に轢かれる未来が見えた。もし、君ならどうする?」
「え? んと、あ、注意する」
「どうやって?」
「それは……未来視とか言って……」
「頭がおかしい人で終わるだけだね。それに、僕は他人だろうと、身近な人だろうと、未来視を無視する」
「なんでよ? 人助けとか出来ていいじゃない?」
 圭の不満そうな声に朔良は、カーテンを閉めながら答える。
「だってどうでもいいんだよ、未来なんて」
「は?」
 朔良が振り向く。携帯端末の通知音が響く。
 圭は、朔良を見て唖然とした。彼の表情には、何かを感じ取ったのかもしれない。
「僕に、未来というものはないからさ」
 朔良は、携帯端末を握りながら、圭から顔をそらした。

4/19/2026, 2:13:21 PM