乱雑無章

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30. 宝物

何をしたところで、どんな言葉で答えたところで、完全に応えることなどできない。救えない。できると言えばただの傲慢だ。分かっていた。

「姿や形あるものは必ず終わりを迎える。だからお前は気兼ねなく生きろ。任せたからな、」

だから勘違いしてはならない。前のように軽口叩きながら、飯は美味そうに食って、行きたいところへ行けば良い。分かっているのに。

俺はあの日に固執してしまう。

11/21/2024, 5:04:15 AM