らいち

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夜の海

真っ暗で何も見えない。波の音だけが響く砂浜で僕たちふたりは談笑していた。水辺を歩くと足元が見えなくて、時々足に当たる波に少し驚く。花火でもしたい、漠然とそう思った日だった。

昔住んでいたのは海に面した小さな町で、親友とふたり砂浜で遊んだり、山に入って虫取りしたりするのが好きだった。今じゃビルに囲まれたコンクリートジャングルの中。正直後悔した。あの町で育ってあの町で死んでった僕の叔父は幸せそうだった。目的もなくただの好奇心で外の世界に憧れ、こっちの大学に入った。あっとゆう間に社会人になり、ただただ生きる生活。
今日は父の葬式。久しぶりに帰ってきた地元の空気をめいっぱい吸い込み、潮の匂いで感傷に浸る。ただいま、


オワリ
ある映画と旅行した場所へ思いを馳せて。

8/15/2024, 4:11:21 PM