れもんしゅがー

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「二人だけの秘密」

僕は1時間目の数学の授業を初めてサボった。
きっかけは隣の席の少女だった。
黒くて綺麗な髪をまっすぐに下ろして、
白くて雪みたいな肌の少女だ。
今は8月。僕と少女の席はエアコンが当たらない席だから、暑くて暑くて仕方がなかった。
僕は頬に次々と落ちてくる汗を手で拭っていた。
少女も額の汗をハンカチで拭っていた。
するとふと少女が言った。
「授業を抜け出してアイスでも食べない?」
僕は授業を抜け出すことに抵抗があったが、この暑い中ではアイスという言葉がとても魅力的だった。
先生にはバレないようにするから。と少女は笑って、迷っていた僕の手を引いて屋上へ向かった。
先生や周りの生徒にはバレなかった。
今思い返せばなぜだかわからないが、
その時の僕はそんなの気にしていなかった。
屋上に着くと青い空に入道雲。絵に描いたような景色だった。
少女と僕は屋上の冷たい床に座り込んだ。
少女はどこから持ってきたのかわからないソーダ味の棒アイスを2つ出した。
「二人だけの秘密。」
そう笑った少女の顔は誰よりも美しかった。

5/3/2026, 5:10:16 PM