アサギリ

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【半袖】


夏である。
衣替えの季節である。
阿呆が発生する時期である。


私は決意した。必ずかの旧友に間違いは起こさせないと!!

私は普通の一般人だ。異世界から来たわけでもかなければ、秀でた何かがある訳でもない。

私には浪漫は分からぬ。
私には天才の考える事は何一つ分からぬ。
だが、私にはやらなければいけない事がある。



私の友人であり、旧友はとても眉目秀麗・百伶百利。
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花
を地で行く………愛すべきバカなのだ。

彼女はそれを浪漫と呼び、彼女はそれを愛していた。純粋な意味で。
特に好きなのは【マリンセーラー】という服らしい。……いや、知らんがな。

大学院生の彼女は、分子力学の研究で基本室内に籠ってる。だからだろうか。暑くなるこの時期に可笑しくなるのは。


今日は、太陽微笑む晴天の日。太陽エネルギー頑張りすぎでは?
眩しすぎて日焼けが恐ろしい。

カラコロ、カラコロ。

心地よい音だけが私を癒してくれる。





………現実逃避をするのはもうやめよう。旧友。彼女の力説は止まらない。何が悲しくて私は今ここにいるのだろう。
ふと。アイスコーヒーにいってた視線を彼女に移す。
目の下には濃く色付く隈。食も細くなってるようだし、今日は美味しいと評判の胃に優しいお店に連れていこう。それから、唇や指先も乾燥してるな。保湿成分たっぷりなのを勧めよう。そうしよう。………だから。お願いだからさ。もう辞めよう?




「YESロリショタノータッチッ!!!!!!」

彼女がそう叫んだ瞬間。本日3回目となるこの叫びに、私は他人になりたいと切に願った。

5/28/2023, 11:08:52 AM