いくら羽ばたけど飛ぶことは出来ない。
上手く泳ぐ事も出来ない。
みんなと毛色も違う。
ワタシはみんなと同じじゃないから海を渡る旅にも行けないんだ。
ここで捨てられるんだ。
周りでは一緒に育ったアヒル達がワイワイと飛ぶ練習をしている。
次の満月の日の次の日に渡りを始めるそうだ。
端っこで丸まっていると育ててくれた母アヒルがやってきた。
悪いけど、渡りには連れて行けないわ。アナタは多分…ここに居た方がいいのよ。
そう言われて、泣いてしまった。
アナタの本当の種類は、ダチョウなのよ。翼はあるけど飛べないの。走る事に特化したから泳げないのよ。
えっとなって顔を上げる。
自分でも気付いてはいたけど、やっぱりダチョウだったんだ。現実逃避してアヒルのフリをしていたけど間違えてなかったんだ。
飛べないアヒルの子、もとい、ダチョウの子は渡りに飛ぶみんなを地上から飛べない翼をバサバサ振って見送るのでした。
(飛べない翼)
みにくいアヒルの子のオマージュ、白鳥でもなくダチョウでした。
11/11/2024, 12:06:52 PM