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『これまでずっと』嫌われないように過ごしてきた。
狭い学校生活という枠の中ですら、人当たり良く、隔たりを作らないように。
博愛主義者なんて言われようと、拒絶されるのだけは嫌だった。
そうしている立ち回っているうちに人の機微に聡くなっていって、所謂、空気を読めることが得意になって。
そうした、慢心からか。

「あなたのこと、きらいです」

心を開いてくれていると自負していた相手からの明確な拒絶。
踏み込みすぎた。
足元が抜けて、指先から冷えていく。
磔にされたように動けなくて、それでも。
笑顔で受け答え出来ただろうか。
その場を去る時、おかしくなかっただろうか。
これ以上嫌われないように、上手く、取り繕えただろうか。

「……すき、だったんだな」

いつになく傷付いた自分自身に、知らずに好意を抱いていたことに気付いて。
今、1番嫌われたくなかったのはあの子だったのだと知った。

7/12/2024, 5:56:18 PM