カミハテ

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日常

まことは学校が苦手だった。

人の多いところは騒がしくて好きじゃないし、
大勢の前で自分の素を出すことがなかなかできず、
苦しかったからだ。
嫌われないように過剰に気を使いまくる日々。
毎日疲弊していた。
そのため、放課後せっかく塾に行っても居眠りしてしまう。
そして、余計自己嫌悪してしまう。
それに、学校では好きな時間に好きなことをできない。
決まった時間に、決まったことをら決められたやり方でしなければならないのだ。
それがとても窮屈だった。
毎日毎日行きたくないと言いながら家を出ていた。
徐々に勉強の意欲もなくなっていき、
予習しなければ授業に追いつけないと分かっていながら、
全く予習に手をつけられなくなった。
授業の合間をぬってなんとか終わらせていたが、
ついに追いつかなくなってしまった。

その次の日、まことは思った。
予習も終わってないから、学校行きたくないなあ。
それに、学校行ったとしても疲れるだけなんだよな。
行く意味あるのかな。
マイナスに考え出したらきりがなかった。

まことは棚から体温計を取り出した。
「ピッッ」
電源を入れ、自分の脇に挟むと思いきや、
布団に擦り付ける。
何度か擦り付けたあと、温度を確認すると、36.9度と表示されている。
「もう少しだな」
もう一度強めに擦り付け、確認すると、37.3度になっていた。
「よし。」
もちろんズル休みなんてダメなことくらい、
高一にもなればわかってる。
でも、それでも、ズル休みの準備をやめられなかった。止められなかった。
そうしてまことはその日から、不登校になった。

中学の頃は、不登校になったことなんてなかった。
けれど、不登校の友達が何人かいた。
みんな面白くて良い子だった。
その頃は、不登校の子の気持ちがよくわからないなあと思っていたが、
今はよくわかる。
不登校の子は、学校に行ってないだけの普通の子供だ。
不登校だからと言って、友達がいないとか、
すごく暗いとかそういうことはない。
ただ、学校に行ってないだけの普通の子供。
学校に行ってないなら普通じゃないじゃんかと
思うかもしれない。
でも、普通ってなんだろうと思う。
学校に行くのが普通なら、
無理やり学校に行くべきなのだろうか。
別に普通になりたいと思ってなくても、
無理やり普通になるために学校へ行くべきなんだろうか。
まことは、難なく学校に行っている人たちのほう
が信じられない。。。

そもそも学校に行くのは普通なのか?
ただ、分かっていることは、
まことは全日制の高校は合っていないということだった。
いろいろ調べてみたが、
通信制の高校だとしても高校によっては大学受験を専攻するようなコースもある。
それに、まことが学校を窮屈だと思う要因の一つである、
好きなときに好きなことをできないという点についても、
高校によっては自分の気になる専門的なコースを選べたりする。
中学の頃までは、全日制の高校に行って、
難関大へ行って、大手の企業に就職するという未来しか考えられなかったから、
全日制の高校の中で、一番自分に合っているだろうというものを消去法で選んだだけだった。
でも不登校である今、
将来についてもう一度広い視野で考えてみると、
自分が思っているよりも将来の選択肢はたくさんあるということがわかる。

さらに、休みの期間を有効活用しようと思い、
いろいろなことにチャレンジしてみたところ、
たくさん趣味が見つかった。
趣味が見つかると、生きるのが楽しくなった。
久しぶりに明日が来るのが楽しみになって感動した。

趣味というのは、例えば、絵を描いたり、
アニメやドラマを見てみたり、歌手にハマったり、
読書したり、小説を書いてみたり。
そうしてまことは今、このアプリで小説を書いている。

6/22/2024, 11:37:52 AM