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一年後

一年後のことなんて分からない…。

一年は短いようで長いと思う、歳を重ねるほどそう思う、大人になると一年はあっと言う間だとか聞くが実際もう夏か、もう年末かとは思うのだがそれでも見送ることの多い人生だったり事故や病気の多い人生だったりするものだから
大人になればなるほど一年後のことなんてどうなっているかなんて分からないのだと思うのだ。

去年は確かに父母と共に桜を見たのに一年後には一人だった。

去年は確かに階段を駆け下りていたのに一年後には走れなくなっていた。

あんなに好きだったのに一年後には前世からの敵同士みたいになっていた。

一年後のことなんて分からないから、今日が人生の最後の日なのかも知れないと思うことにする、そうすると満開の桜も散る桜も入道雲も風に揺れる稲穂も落ちる霜も降る雪もあなたの笑顔も奇跡みたいに美しく見える。



2024年5月8日

心幸

5/8/2024, 2:14:27 PM