敬愛

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ふと思い出すことがある。あの日あの時、共に過ごした彼らは元気だろうか、と。

幸福な日々だった。愛する人々に、躊躇いなく愛してると言えた場所。人目なんて気にせず笑った時間。意味もなくくっつけあった肩の温度が心地よくて、暑い暑いと口では言いながら、決して離れようとはしなかったあの夏の日。
本当に満ち足りていた。
けれどもう二度と、同じ笑顔が揃うことはないのだろう。
時が流れる中で、私も彼らも少しずつ変わっていってしまった。
昔は馬鹿笑いして話したあの話題。久々に口に出した時、私に帰ってきたのは恥じるような苦笑いだけだった。

嗚呼だけど、それでも、

私は確かに彼らを愛した。私もまた、彼らに愛されていた。それだけは変わることのない事実だ。
胸の奥、光るものがある。彼らだ。私達が共に歩むことはきっともうできないけれど、彼らは私の胸の中、どこまでも寄り添って輝き続けてくれる光となった。

この光がある限り私はきっと生きて行けるだろう。願わくば彼らにとって、私もそうでありますように。


『消えない灯り』

12/7/2025, 6:32:13 AM