名無しの夜

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去年の春、パート先を転職した


良い職場で、同僚のみんなも良い人で
居心地は良かったけれど

元々の私の体内時間は夜型で

どうしても
体質と勤務時間が合わなくなっていた


そんな矢先、
とっても嫌なことが起きた


理不尽な目に遭うことは
誰にだってありうることだから

深く考える必要なんてない


だけど
ちょうど色々悩んでいた時だったから
堪えてしまった


有給を使って休んでいるうち

居心地の良さだけでとどまる必要あるかな、
なんて思ってしまった


求人サイトをぼけっと眺めて
自分の今の体質に合いそうな仕事に
ポチッと応募

サクッと面接
ザクッと落ちた


非正規といえど、甘くないねぇ

やっぱり続けるしかないかぁ、と半ば諦め

それでも諦めきれず

あれ、これ良さそうだな
できるかな? とりあえず応募だけ

即連絡来て、翌日には面接に

無理かな、と思っていた所だったのに
あっさり受かって拍子抜け


とりあえず働いてもらって
その後一定期間で継続雇用するか決める的な
会社だった、というオチだけど


去年の今頃は、
そんな会社ルールを人伝に聞いて
『まあ大丈夫だろー、多分』
なんて思いながら

でもそんな自分評価が
実は間違っているかもしれない、と
半分は戦々恐々としていたり


そんな頃だったな


そしてその頃には

まだ、あなたがいた


帰宅すれば
お気に入りのキャットタワーに置いた
クッションの上で寝転がっていて

顔を上げて、可愛く鳴いて挨拶してくれた

それが何より嬉しかった


今は

お気に入りの場所の一段上に置いた
あなたの写真に、挨拶している

あなたの姿を思い出すけれど

やっぱり寂しいな哀しいな


お迎えも挨拶も、あなたに任せて
私のベッドでグースカ寝ていた弟分な猫くんは

この頃は子猫時代のように
玄関前でお迎えしてくれているよ


……お迎えというより、
『寂しかったー!』の訴えだろうけど……


仕事は去年とは違う部署に配属されて

覚えることも目標数値的なものも
少し増えたけれど

何とか頑張っている


来年の今頃は、どんな心境で
今時分のことを思い出すのかな


惰性な日々ではあるけれど

ちゃんと思い出せるように

時々は、大切に過ごしていこう

6/17/2024, 3:47:47 AM