夜凪

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花弁ひらり、風に舞った
静かな水面に触れて
鮮やかな波紋を残した
そんなある春の午前

蝶々ひらり、宙を舞った
やがて仲間と合流し
共に花壇へ消えていった
そんなある春の午後

私はひとり、ここで君を待った
来るはずのない君を待っていた
君という春を待ち続けていた

花弁また、ひらり
今度は私の頬を掠めて
はらり、雫が頬を伝って
アスファルトに吸い込まれて溶けた


テーマ『ひらり』

3/3/2025, 11:02:02 AM