とりとめもない話をできていた時間が、
いちばん幸せだったなあ。
君は遠くに行ってしまって、
僕だけがここに取り残された。
今じゃ、君に話しかけることすら叶わないんだね。
勤勉な君はきっと僕とは、
元々生きる世界が違ったんだろう、なのに、
僕が期待してしまったから。
天性のスターみたいな君の隣に、
いつまでも立てると思ってしまったから。
既読のつかないメッセージを片目に
通話ボタンへと向かわせていた指をはたと止める。
そして、
「メッセージを取り消しますか?」
多分これで、良かったんだ。
あの日、君の真面目さに軽蔑の目を向けた時から、
道は分かれてしまっていたのだろう。
僕は本当に君が好きだったんだろうか?
ただ、君になりたかったんじゃないのか。
僕は落ちぶれてしまった。
戻ることのない過去と
未来の幻想に縋り続けることしかできなくなった。
だから、羨ましいけれど、妬ましいけれど、
僕はやっぱり君を、あなたを、尊敬しています。
僕があなたの人生の汚点になりませんように。
12/17/2023, 2:57:49 PM