海月

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「永遠に。」/ 実話です。

彼とは友達としての関係に戻ったけれど、それは思っていた以上に自然なものだった。別れてからも、彼は変わらず優しかった。むしろ、昔よりも私のことを気遣ってくれるように感じていた。辛いことがあった時、ふとした瞬間にトラウマを思い出して心が重くなる時、彼は何も言わずにそばにいてくれた。彼の静かな存在が、いつも私の心の安らぎになっていた。

その日も、そんな彼との穏やかな時間が続いていた。友達と一緒にテニスをしに行こうという話になり、久しぶりにみんなで集まった。テニスコートに立つのは本当に久しぶりだった。私も彼も、そして他の友達も、よく一緒にテニスをしたものだ。懐かしさが胸にこみ上げてきた。

彼がラケットを手にして、軽くボールを打ち返す姿を見ていると、あの頃の彼を思い出した。真剣な顔でボールを追いかける姿、時折見せる笑顔。その時はまだ恋人同士だった。でも今は、そんな日々が懐かしく感じられるだけで、心に痛みはなかった。それはきっと、彼が今も変わらずにそばにいてくれるからだろう。

ゲームが始まり、みんなで笑いながらプレーを楽しんだ。時折ラリーが続くと、思わず白熱してしまう。彼が全力でボールを打ち返すたびに、心の中で「懐かしいな」と思いながら、その姿を見つめていた。彼は変わらない。昔と同じように、まっすぐで優しくて、そして少しおどけた笑顔で私を見てくる。

試合が終わり、みんなでベンチに座り込んで一息ついた。心地よい疲れが体に広がり、久しぶりに体を動かした充実感で満たされていた。私は彼に向かって微笑んで言った。

「懐かしいね。久しぶりにテニスしてる君を見て、なんだか昔のことを思い出しちゃった。」

彼は少し驚いたような顔をして、でもすぐに優しい笑みを浮かべた。

「そうだね。昔はよく一緒にやってたもんな。」

その言葉に、私も少し照れくさくなって笑った。思えば、彼との関係はいつもこうだった。何かを一緒に楽しんで、少し照れながら笑い合う。昔も今も、彼は変わらない存在でいてくれる。それが、私にとってどれだけありがたいことか、言葉では言い尽くせない。

「いつもありがとうね。私がしんどくなった時も、こうしてそばにいてくれて。これからも、親友としてよろしくね!」

そう伝えると、彼は少し照れたように頬をかきながら、いつもの優しい声で答えた。

「もちろん。俺こそ、これからもよろしく!」

その言葉に、心が温かくなった。私たちの関係は、恋人ではないけれど、もっと大切なものに変わっていた。親友として、互いに支え合う存在として、これからもずっと一緒に歩んでいきたい。彼との時間が、これからも永遠に続いていくことを願ってやまない。

太陽が少しずつ傾き始め、私たちはテニスコートを後にした。夕陽が照らす道を、彼と並んで歩く。静かな時間が心地よく、言葉は少なくても、そこには確かな絆があった。

これからも、彼と共に過ごす日々が続いていく。親友として、いつまでも 一緒にいたい。

永遠に。

11/1/2024, 11:20:35 AM