ストック1

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雨が止みそうだ
しかし、雨上がりにはまだ早い
私は認めない
同じ罪を背負いながら、お前だけ幸福を掴むというのか
私の人生はいまだ、大雨が降り注いでいるというのに
私だって、自分の人生の雨上がりを見たいんだ
なのに止む気配はない
こんな不公平があってたまるか
なぜ私は罪に蝕まれているのに、お前の罪はまるで洗い流されたかのような扱いを受けるんだ
おかしいだろう
二人で一緒に手を染めたのに、明暗が別れるなんてことがあっていいのか
……わかっている
わかっているんだ
お前の雨上がりは、自分の罪と向き合って、努力をして、その結果手に入れた幸福だ
お前はマイナスからゼロに戻るためにたくさん行動したんだ
それでも、私はお前が恨めしい
私も、罪を犯す前から何度も何度も努力をしてきた
なのに、誰も私の努力を認めない
すぐそばにいる、他の優秀な誰かに越され、私の存在は、努力は無視される
今だってそうだ
私も何もしなかったわけじゃない
罪を償って、愚かな自分を過去のものにしようと努力した
だというのに、お前が輝いているから、私が何をしても認められることはない
私を、罪を犯したくせに怠けている奴だと、そういう目で周りは見てくる
お前が諸悪の根源ではないのは、その通りだ
お前は私とともに同じ罪を犯したが、逆に言えばそれだけ
立場は私と同じだ
だが、私が今の私になったのは、自分が100%悪いというのか?
周りが勝手に私を陰に追いやっておきながら、私の何も見ていないのに、結果だけを見て怠惰だとか、努力が足りないとか、好き勝手言って、それでもその中で真っ当にコツコツ頑張れと?
土砂降りの雨の中、いつ雨上がりがくるかもわからないのに、苦しみ続けながら成長しろ、とでも言うつもりか?
誰も認めてくれないのに?



君の雨は上がらない
僕の力では、どうすることもできない
それでも、僕は君に雨上がりを見せたい
共に同じ罪を犯した相手なのだから、僕だけが幸せになっていいはずがないんだ
もし僕のせいで、君の頑張りが認めてもらえないのなら、なおさら
僕は君のこれまでの努力を知っている
誰よりも頑張っていた
なのに、いつも君より強い誰かがすぐそばにいて、誰も君を称賛してくれない
君は僕と同じだった
だから、僕は君と罪を犯した
僕を、君を、虐げた者たちに、自分たちの存在を示すために
それは完全に間違った方法だったけれど
結局、僕は君を苦しめる側に回ってしまった
今度は、僕がすぐそばの強い誰かになっていたんだ
そんな僕が君のためになにか助力したところで、それは僕の功績になるだろう
君の苦しみを取り除く方法はひとつ
これ以上、君のそばで何かをしないこと
僕は、君のそばから消えることにする
僕の存在は君にとって邪魔でしかないだろう
僕がいるべきではない
さようなら
君の雨上がりを心から願う
そして、もう君のそばに、君の努力を霞ませる存在が現れないことを望む
いつか、君のことを認めてくれる存在が現れてほしい
そうすれば、きっと君の心は救われるはずだから
僕がすべきだったことは、君と罪を犯すことではなく、君と支え合って、お互いを思いやりながら頑張ることだった
けど、いまさら後悔してももう手遅れだ
もっと早く、この答えにたどり着きたかった

6/1/2025, 11:11:58 AM